□ ジムにおける登り方の一考察 □
「ワンムーブボルダー」と名付けて行っている登り方がある。
能力の最大値の向上。
筋トレで筋量を増やすには回数よりも負荷の大きさが重要らしく、「小さな負荷で回数が
多い」よりも「大きな負荷で少ない(可能な)回数」の方が良いらしい。
これはクライミングにおける、能力向上のための登り方にも言える事なのではないだろう
か。
具体的にはいわゆる課題(数手繋げて完登というスタイル)よりも一手から二手ほどの激
烈なムーブを行う事の方が筋トレで言うところの「大きな負荷で少ない(可能な)回数」に
該当するのではないだろうか。
さらには悪いムーブどころか、総力を挙げて(保持力、体幹、シューズ)やっと離陸体制に
入れるような悪いホールドやスタンス、位置関係の課題。
ゆくゆくはそれ(離陸体制)が出来ると今度は激烈なムーブを加え、それ(ムーブ)が出来
ると高難度課題になる。
出来ないムーブにトライする事も同じだろう。
持ちうる能力を使い切れば、これ以上無いという負荷をかけられる。
簡単な方法論だ。
全力を出しても出来ないムーブを繰り返しトライすれば良い。(要はオーバーグレードで
良いという事。)
何度繰り返しても出来ないという事は能力が足りないという事。
必要な能力が足りないのだから、余力が残っているはずもない。
この方法が最も効率良く余力を残さず、肉体に斬新な負荷(*注1)を加えられる方法だ
ろう。
ただ、あまり繰り返し失敗を重ねて、神経系に悪影響(*注2)を与えないよう留意する。
注1 いわゆるボディビルでは筋肉に加える負荷を常に大きなものに更新する事で筋肥
大を促す。(いい体になる。(笑))
クライミングを筋肉の最大出力を上げる事を目的としたある種の筋肉トレーニングと
考えた場合、加える負荷をより大きくする試みは必須であるという考え方。
注2 あまり多くの失敗の記憶は大脳生理学的に(多分)よろしくな(さそう)い。
*まず触る事を目指す。
オーバーグレードムーブにトライする際に留意。
「まず触る事を目指す。」
ボクシング漫画、「はじめの一歩」のある回での内容であった。
なるほど、言い得てるなと思った。
最初のハードル低くする事で成功に近づく戦術はクライミングにもすでにあったが触るとい
うのもまたひとつの方法だ。
実践しよう。
コメント
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