今回は沢登りならぬ、沢下りだ。
理由は泳いで越えなければならない箱が二ヶ所あったり、(今回は初心者が居て、登りだ
と箱から上がる際の滝越えが困難なため。)フリーで登るにはちょっと技術が必要な滝が
あったりと登るより下りる方が都合が良かったためだ。
今回の白老川、都合の良い事に白老川と平行して、立派な車道、道道86号線が通って
いる。
この86号線を使う事によって、登りは車で上流の入渓地点へ行き、下りは沢。
下流沢の出口に車を一台デポしておき、上流入渓地点の車を回収。
といった方法で、沢を下るだけという沢行を楽しむ事が出来た。
今回は沢がお初1名、沢2回目が1名、他、経験者僕含め4名というメンバー構成だった。
なので、お初の人には沢のきれいな景色を知ってもらい、初心者には経験地を上げても
らおうという意味でこの沢を選んだ。
沢がお初の人にはちょっとハードかなとは思ったけど、ある程度大きな山は登っているし、
クライミング経験者なので、まあ、がんばってもらおうという事に。
で、今回の沢の主だった内容は。
まず、入渓して間も無く懸垂下降で下りる滝が現れる。
そして、その滝を下りた所に今度は泳がなければ先へ行けない箱。
当初、寒いのでなんとか巻こうという意見が出ていたが、現地に着き巻き道が無い事が
分かると、皆さん藪漕ぎの煩わしさからか泳ぐ方を選んだ。(笑)
実際、泳いでみると水から上がり、陽の光を浴びているとすぐに寒さも引き暖かくなって
来た。
天気が良い日で幸いだった。
その後はしばらく美しい渓相を堪能しつつ沢を下る。
そして、沢が中盤に差し掛かる頃に今回一番の見所、白老滝の二段目の釜が現れた。
ここはもう予想通り、初めて見たメンバー、一同歓声。
何度も見た僕も相変わらずの癒しの景色にしばし見とれる。
ただ、この滝、懸垂下降で降るにはとても長いロープが居る。
最も高い位置から信頼のおける支点を利用しようと思ったら60mロープでも足りるかどう
か。
一段目の落ち口付近には「枝!?」というくらいの支点はあるがそれでも回収も考えると
僕達が装備していたロープだけでは無理だ。
まあ、とはいっても15分も藪漕ぎをすれば、巻ける道もある。
そんなわけで、今回は巻く事にした。
巻きが終わるといよいよ白老滝の全景を正面から望める。
安定感のある姿、V字の渓谷から流れ出る水流、釜は比較的大きく沼のようだ。
周囲も広い河原で、とても気持ちが良い。
お昼を摂るにはとても良い場所なので、滝を眺めながら昼食とする事にした。
腹ごしらえが済み、再び沢下り。
白い川底や左岸には大きな黒い壁。
ここ白老川の特徴ある渓相が続く。
そして、最後の核心ゴルジュ帯。
以前、このゴルジュ帯を下から遡って来たのだけど、その時は泳がなければどうしても越
えられないセクションがあった。
今回はそこを泳げないのなら、高巻きを予定していたのだけど、実際はあっけないものだ
った。
落ちても泳げば良いという気温のため、ヘツリもさほど緊張感が無い。
泳ぎを恐れなければなんという事の無い所だったのだ。
ちょっとしたボルダリング大会のようで、ヘツリに失敗して水没する事を楽しみにする空気
すら流れ出した。(笑)
結局、僕を除く全員が期待に応え、ドボン。(笑)
ちなみに僕がヘツリ成功した際に使ったホールドはあきらかに悪く浅いスローパー。(笑)
フリークライミングで培われた指は少なからず助けになったようだ。(笑)