岩(フリー)開始が良い滑り出し。
「イチゴ農園 11a 」RP。
「大人の日 11b」 フラッシュ。
非公式なルートだけど、ブラックホール穴使用禁止、
通称「黒穴レス10d?」、RP。
今回の岩で最も感じた所感。
イチゴのRPも大人の日のフラッシュも成果に大きく貢献したのは
フォールに対する慣れと理解だと思う。
3ヶ月前にもある程度フォールには慣れていたはずだけど
岩でリード(でフォール)をしばらくしていなかったため
フォールに対する恐怖があった。
それが随分慣れて来た事に加え、自分が今落ちるとどうなるのか。
下にテラスがあり危険なのか、ハング越え後なので空間に投げ出され
安全なのか。
と、自分が登攀中の窮地にはどうなるかという状況を
強く把握出来るようになった事が最大の能力向上と考えられる。
それらを意識しながら登っていて一瞬よぎったのが
「今落ちてもジムのマットの上と同じ状態と言えるな。」という意識。
それは「最も理想的な状態で自分が持つ最大値の能力を発揮出来る状態」だと
言い切って良いと思う。
大人の日が自分にとって得意系のルートだった事は事実だけど、とは言え初見のルート。
掴んだホールドは効くのか辛いのか。
核心はどこで、支点からランナウト後はどこがきついのか、あるいはもう安心なのか。
それらを未体験の状態でフォールの恐怖を感じながら思い切ったムーブは起こせない。
で、そこで思い切ったムーブを起こすために(オンサイト、あるいはフラッシュをする。)重要な
要素は落ちてもいささかの危険も無いと自分に理解させる事だ。
ジムのボルダーで出せる能力が岩では大幅に減少するのはそこにある。
(ジムは落ちた後、マットだからね。)
これは当然、オブザベの時にも重要な要素となる。
後はオブザベ(オブザベーション)。
オブザベもクライミング(登攀)のひとつと以前書いたけど
例えば、11aやbなどの核心ムーブがジムのボルダーで起こしているムーブより
非常に簡単だとしたら、それはすでにジムでの自分にとって最も難しい課題の核心ムーブが
岩ルート12台前半の核心ムーブには匹敵するという事だろう。
(ただこれは一義的なもので核心が複数あって持久力を要求されたり
得て不得手も絡んでくるので一概に言い切れる事では無いのだけど。
それを念頭に置いて考えたとして。)
つまりそこに最小限のパンプ、登攀に必要なエネルギーの損失でたどり付き、
尚且つ、フォールを躊躇する事なく思い切ったムーブを起こせれば、
11台のオンサイト、フラッシュは不可能では無いという事か。
で、それを実現するために必要なのが入念で意味のあるオブザベ。
どこが核心か。核心ムーブ。
フォールリスクの理解。
ホールド、スタンスの発見。
レストポイント。
クリップホールド、姿勢。
等々を正しく理解してイメージとして固着させる事が大事。
これらオブザベを行う事はより高いグレードのルートを登る時にも
クライマーの神経系向上という直接的な身体能力として発揮されると思う。
脳と体をイメージで繋ぐ神経系能力向上と言ったところかな。
だからオンサイトって大事で価値のある登攀と言われるんだろうね。
*今日の肝
・フォール後のクライマーの状態の深い理解。
・オブザベ、オンサイトの重要性と価値。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。