小樽赤岩にてマルチピッチのシステム訓練。
簡単な一ピッチのルートを登り、終了点でフォロワーのビレイをする。
ロープをまとめようにも風が吹いて流されたり、下でフォローを待たせているので(寒さでブ
ルブル凍えてしまう。)支点も速やかに作らなければならなかったりとジムで一通りの流れ
は練習したけど、やはり実際の岩場では勝手が違う。
ましてやこれが本番のマルチピッチともなればなおさらだと実感。
同行者の都合で午後から西奥壁のフリーのマルチピッチルートを登る予定だったけど、午
前中少し時間が出来たので44フェイスにてフリーのルートを登る。
時間もさほど無かったので僕は「ベルボトム 11b」をオンサイトトライ。
結果はマスターでオンサイト。
途中、かなり折れそうになったけど、落ちそうで落ちないフェイス特有の闘える感じのルー
ト構成だったのでなんとかオンサイト出来た。
その後、西奥壁のマルチピッチルート「上を見て 10c 9」へ移動。
1ピッチ目をパートナーのTさんがリード。
ルートが分かりづらいらしく、途中、はまったりとなかなか苦戦しつつもビレイ点へ。
続いてフォローで僕も登りだす。
リードならけっこう怖いだろうなと思いつつも、トップロープ状態なので何だかんだ穏やかな
心持ちで登る。
2ピッチ目、僕がリード。
「グレードが9なんてうそだ!」と思うくらい難しく感じる。。
高度感とチョーク跡が無いせいだろう。
どちらも僕が普段あまり経験していない要素だ。
別に高度感が無くても、初見のルートでは次のホールドは安心して保持出来るのか、ラン
ナウトした後、良いホールドはあるのか、等々の心理的負荷があるけど、普段はなんだ
かんだチョーク跡を追っているというか、チョーク跡がまったく無いという事は登る事がとて
も難しくなるものなんだなと実感した。
同様に高度感も体を萎縮させるには理屈抜きで充分で、核心と思われる部分ではヌンチ
ャクすら掴んでしまった。
一応、ルート「上を見て」としては2ピッチ登った所で終了点だったけど、その上にもいくつ
かルートがあり、ピッチとしてはそのままビレイ点より継続する事で3ピッチ目として登る事
が出来る。
ただ、「ここまでで精神的に随分疲れた感がありますね、、」とパートナーのTさんとどうし
ようかと相談したけど、体力、時間的にはまだ行けたので、後学のためにも僕がリードで
登る事にした。(Tさんはマルチピッチの経験が豊富だけど僕はこれからが勉強なので。)
「ハンマースミス 10d」、結果は途中のランナウトの怖さに耐え切れなくなり、敗退。。。
情けないけど安環付けてロワーダウンして来ました。。
なんだかんだと打ちひしがれ、懸垂で下降。
9でA0、10で敗退と思わぬ結果だったけど、得たモノは大きかったので良しとしたい。
そもそも高度感と言っても1ピッチのルートよりもグランドフォールする可能性は格段に低い
訳だし、万万が一仮にボルトが抜けても(普通、フリーではまず考えられない事を前提に
登っているけど。。)死んでしまう確立はマルチピッチの方が物理的にずっと低い事を考え
ると要するに高度感に対する慣れなんでしょうね。
本来、むしろその高度感と充実感を楽しみたくてマルチピッチを登っているはずだし。(とい
うか楽しかった。)
フリーのマルチピッチ初体験はとても感慨深いものとなった。
コメント
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