例えばジムで精態形化を図る課題を選ぶ際に注意したいのが、少し前に更新した自己最
高グレードの課題、あるいはそれに近い難度の課題を登るように意識するという事だ。
これも「強い人と登る」に通ずる概念なのだけど、常に強い強度でクライミングを行なう事で
、その後の上達具合が大きく変わるのではないかと思うからだ。
常に強い人と登れる環境にあるクライマーはそれで良い。
あまり意識しなくても、強い人と同じ課題を楽しみながら登る事で、自然と自らが持つ能力
を最大限を引き出すクライミングがしているだろうからだ。
でも、僕のようにほぼ同じレベルか、あるいは独りで登る事が多いクライマーは意識して強
度の強いクライミングする必要がある。
そうしないと無意識に流す程度になっていたり、行なうべき事をしないままトレーニングを終
えてしまう懸念があるためだ。
目安としては少し前に本気トライを終えて完登したばかりの課題のいくつかを精態形化の
対象とすると良いと思う。
もちろん、少し前まで自分の最大値を発揮して登っていた課題を、よれ気味の体で易々と
登れる訳はないのだけど、その場合は取り付きをショートカットして離陸地点を少し上げた
り、最も強度の高い部分だけのムーブを起こしても良いだろう。
当然、岩のルートについても同様の事が言える。
例えば12台のルートのRPを目指す今の僕なら、11台後半がアップやダウンに良いだろう。
11台後半も以前のRP時にはとても激烈に感じたけど、精態形化を図ればきっとそうでもな
いだろう。
その、「そうでもない。」が肝心なんだと思う。
常に一杯一杯のクライミングだけをしていてはダメだ。
負荷が軽ければ良いという意味でも無い。
相対的に(自分と比べて。)強めの負荷を楽に登れるようになる事が大事なのだと思う。
肉体的に厳しいものではないのに動きがぎこちないのは要するにムーブの精度が低いか
ら。
だから、同じルートを何度も登るとだんだん楽に登れるようになって来る。
重要なのはその応用だ。
困難な動きを繰り返す訓練(精態形化)で精度を上げたムーブは他のルートにおいてもそ
の成果が表れる。
その先鋭化されたムーブこそが、後々の高難度ルートの攻略において、強力な武器とな
って反映されるのだろう。
*今日の肝
・ともかく、意識して強い負荷を体に加える。
そして、それらが楽になった時、自分自身のムーブの精度が上がったという事になる。
(当然、保持力、持久力、身体張力等の強化にもなる。)
先鋭化されたムーブは他のルートにも反映される。
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