garbage in garbage out

十勝岳 09.8.16

メンバー：たまやん、かわぞー

当初、天人峡よりヒサゴ沼を目指し、テン泊して周辺を散策する予定だったのだけど、天
候が不安定だったため予定を変更。
2日間あった行程の内の1日を旭岳麓のキャンプ場で停滞する事に。
翌日の天気を見て、旭岳か十勝岳に登る事にした。
停滞中は朝から晩まで平気でごろごろして過ごす僕にあきれた様子のたまやん。（笑）
あまりの退屈に耐えかねたたまやんに尻を叩かれ、しぶしぶ近くの天人峡に滝を見に行
った。
天人峡羽衣の滝。（落差270Mだそうです、、）
凍ればアイスクライミングの長大なルートにもなりそうだ。（ネットで探したけど記録は見つ
からなかった。）
羽衣の滝の傍らには忠別川も流れる。
上流に遡れば、化雲岳に突き上げる上級者向けの難しい沢になる。
いずれ訪たいと考えたらドキドキした。

翌日は十勝岳へ尾根歩き。
麓は天気が良いのだけど、山頂付近には雲がかかっている。
ともかく、行ける所まで登ろうという事になり登り始める。
僕は以前にも登った事があるのだけど、山の中腹の荒涼とした景色が好きなので
また訪れたい山のひとつだった。
同行したたまやんは未登の山だったのでピークを目指す。
山頂付近はガスに包まれてしまったけど、ともかくピークに辿り着く。
2日ほど前にフリーのルート「マサイ 5.10a」をRPしたたまやん。
今日は十勝岳をオンサイト。（笑）
よかったね。

十勝岳

青巌峡 09.8.14

「ニューギニア 5.12b」RP。
前回、終了点間近でフォールしてしまった、ニューギニア。
ヌンチャク架け後、1回目のトライで前回と同じ所まで到達。
今回は良いホールドもしっかり記憶していたし、これまで曖昧だったムーブ（けっこう、適
当に記憶していたみたいだった・・・。）も改めて整理した。
（ムーブの精度が高くないと下部の消耗後にガバ地帯もこなせなくなる。）
結果はRP成功。
前回同様、ルートの半ば辺りからすでに心は折れかけていた。
中間ガバで片手づつレストしても、持ち替えた2秒後くらいには消耗を感じ、前回の悪いイ
メージがよぎる。
それでも、行けるところまで行くしかないので意を決し登り出す。
弱気を捻じ伏せ、前回、フォールした地点まで到達。
若干、修正を加えたムーブを起こす。
キーホールドとなるガバを保持成功。
これを堪えられれば、ほぼ大丈夫だ。
叫びで自らに気合いを入れ、堪える。（「限界の乖離」も検証開始。）
ガバをしっかりと保持出来、RPの確信を得る。
後は慎重に終了点に辿り着きクリップ。
RP後はしばし回収も出来ないほどヨレヨレ。。
ビレイヤーに少し休ませてもらい、その後、ヌンチャク回収。
「お父ちゃん」同様に出し切ったクライミングが出来たと思う。
ニューギニア 5.12b、RP。

ニューギニア 5.12b　かわぞー

 

青巌峡 09.8.9

ニューギニア 5.12b、RPトライ開始。
当初は相変わらず激烈な印象。
ともあれ、悪い（ホールドとか）ながらもムーブが固まりだす。
当日、最後のトライでは上部で合流するルートである、「爆発するぜ」の上部まで到達出
来たけど、ガバガバ地帯にも関わらず力尽きパンプ落ち。
例の「限界の乖離」ゾーンには突入出来なかった。。

今回は気合の一手が出せなかった気がする。
核心を越え、これはRP出来るかもという考えが出て来たけど、終了点間近で保持力の限
界を感じ、「あ、やっぱダメかも。」とまさに弱気に。
でも、前回の「お父ちゃん」のRPトライ時はまさにこの状態から戦えたのだ。
違うルートなので、一概に同一視出来ないけど、基本、終了点直下はどちらもガバ地帯。
それに今回は声も出さなかった事を考えると、後、わずかには捻り絞れる何か（ゾーンに
入るためのスイッチ的な。）はあったような気はする。
端的に言えば、「限界の乖離」ゾーンに入って落ちるのならまだしも、入れずに落ちた。
そんな温さがまだあったような気がする。
次回も検証を続けたい。

＊今日の肝
・「限界の乖離」ゾーンを検証しよう。

石垣山 09.8.8

2回目の石垣山。
前回と同じルート、ナルコレプシー 9を登る。
今回はマスターで登った。
これまでも、ナチュプロをセットしながらリードで登っていたルートは在ったけど、それはア
ルパインのそれに近いものだった。
落ちる可能性が多分に有り、尚且つ、プロテクションのセット時にホールドをジャミングで
保持しているというルートは初めて。
とても緊張した。
怖いので盛大にカムを使うものだから、最後にはセットしたい場所でセットしたいカムが無
くなる。。
仕方がないので若干のランナウト（といっても、20センチくらいだけど…。＾＾；）の怖さに耐
えながら、終了点クリップ。
ロワーダウンして地面に降りた時には充実感というか解放感というか複雑な心境だった。。
（笑）
でも、これまで多く登って来たフェイスルートとは異質な達成感はあり、トラッドの世界を入
口から少しだけ覗き見る事が出来た気がした。

ナルコレプシー 9　好きマルさん

青巌峡 09.8.1

「お父ちゃんがんばって！ 5.12c」RP。
終了点間際、とても！とても！とても！戦った、、、（もうダメだ（落ちる）という気持ちと。）
これまでRPしたルートの中で最も戦ったルートとなった。
ここのところも何度か書いたけど、手が消耗して、もうダメかなと思ったところからがけっこ
う戦えている。（消耗の限界と感じた辺りからの粘り。）
それが今回は実に顕著だった。
実は終了点のけっこう手前からすでに保持力が失われつつあった。
ただ、そこは例によって、自らの意思とは無関係に岩から手が離れるまではただ手を出
すのみ。
その辺りになって来るともうRP出来る気などしなくなって来ている。。
ただ、次の登りとクライミング力を向上させる意味（リミッター解除や火事場のバカ力？）
で、「ともかく気持ちだけは負けない！」という強い思いで登る。
それがそうこうしているうちに、予想外？に終了点に辿り着けてしまったというのが今回の
RPだった。

で、今回、思ったのは精神的に感じる限界と実際の身体的な限界には実は若干の乖離
があるのかも知れないという事だ。
一般的に平時には使われない想像を超えた力が人間に備わっているという話をよく聞く。
「火事場のバカ力」とか「リミッターを切る」というやつだ。
逆に言うとそのバカ力をコントロール出来れば、そうじゃない自分と比べ、より自分が持つ
能力を最大限動員して登れるのではないだろうか。（クライミング力の最大値が上がる？）
ただ、そのコントロールというのは簡単に出来るものではないのかも知れない。
数多くのルートを登った経験や訓練（すぐにあきらめないで戦う習慣。）によってのみそれを
コントロール出来るクライマーになれるのではないだろうか。
自分に当てはめてみる。
クライミングを初めて現在に至るまで2年半、グレード11、12、13台含め、三十数本のルー
トを登って来た。
どれも自分なりに戦って来たつもりだ。
その経験と訓練（戦う習慣）の成果として、ここ最近感じる、限界からの粘りを実感するに
至ったのではないだろうか。
はっきりとした効果として検証出来るかどうかは断言出来ないのだけど、ともかく、以前よ
り気持ちの限界からフォールまでの時間が長くなった事だけは事実だ。（今回も以前なら
落ちていたと思われる体感的状態からが戦えた。）
その「限界の乖離」こそがより自分のクライミング力を押し上げる鍵なのかも知れない。
今後も意識して登りたいところだ。

＊今日の肝
・火事場のバカ力を意識して、「限界の乖離」を自分のものにしよう！

 

お父ちゃんがんばって！5.12c かわぞー